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砂絵やっとります。

絵と音楽とお笑いと漫画が好きであります。LAに滞在中。

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2024.04.26 (Fri)

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トラウマ小説 -第2話 絶望感-

2013.05.11 (Sat)

時間は昼間。外はむなしいほどの晴天。病院の救急センターへ到着し、応急処置を受ける。

『両足は動きますか?』と聞かれ『はい、大丈夫です。』と伝えるも、担当の先生がいないようで、はっきりとした診察が進まないまま、数日も過ぎた。

その間に、両親と姉が来てくれいろいろ話をした。
いいのか悪いのか、わたしは1月21日に新しい新居へ引越しをする予定であった。部屋を借りやすい社員のうちに新しい家に引っ越して、心気一転頑張ろう!と辞める前に新居を見つけていたのである。
4年も住んで引越しまであと数週間という時にこんなことってあるのだろうか。気持ちの焦りが引き起こした怪我なのだろうなと思った。

がしかし、骨折した場所が神経がたくさん通っている身体の中心の背骨ということもあり、母に『車椅子生活になるかもしれないし、こっちで一人暮らしはできるべか。』と言われた時、初めて怪我の重大さに気づいた。
痛みもほとんどなく、足が動くから大丈夫と思っていたのだが、先生も曖昧なことしか言わないし、『もしかして歩けなくなるのか?』と一気に恐怖が押し寄せ、絶望感を抱いた。
その夜、わたしは1人ぼっちの部屋で涙を流した。

- - - - -

夜が明け、不安なまま担当医の先生が診察に来る日をむかえた。
待ち遠しくもあったが、答えを聞くのが恐怖な日でもあった。今日で人生が大きく変わる。そう思った。

先生がさわやかに入ってくる。全力で緊張するわたしを目の前に先生が発した言葉は、

『ラッキーだったねぇ。』 

の一言。


怪我の名前は【第二腰椎破裂骨折】。骨が砕けてしまう程の大怪我。
マンションの3~4階から落ちた時の衝撃らしい。この骨折をしてしまったら歩けなくなる確率はかなり高いとのことだったが、わたしの神経は丈夫だったようで、断裂することなくするっと逃げてくれたらしい。健康に生んでくれた両親に感謝するとともに、冬の過ごし方が、暖房派ではなく洋服をいっぱい着込む派だったことも幸いだったと思う。

『手術をすればすぐ通常の生活に戻れますよ。1ヶ月ぐらいかなぁ。』

先生の口からさらっと出たこの言葉を聞いて、全身から力が抜けていくのを感じ全力で安心した。
そして、『このまま横浜で生活したいから引越しの作業をお願いします。』と両親に懇願し、予定通り引越しすることに決めた。
どこまでも迷惑をかける娘だなぁ、とその夜もまた一人で泣いた。
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