初めて野菜詰め放題に挑戦してみたナオ氏です。だんも。
近所のつるかめランドで、ピーマン詰め放題98円!とあったので主婦たちに紛れてもさもさ詰め込んでみた。ビッグなピーマンを20個弱ゲット。あーほくほく。
↑冷静に考えると、20個も食べんのか的な。
ピーマンウィーク頑張ります。
そうそう、前にちらりと話した劇作家の守夏代殿(http://www.gekisakka.net/)と書いたリレー小説が近頃仕上がり、ブログになりました。
http://imokomameko.blog88.fc2.com/
書き始めを読んで、『臍で話を続けろってか!むずい!』としばらく頭を抱えましたが、目の前にあった味噌汁からインスピレーションを受けて続きを書きました。
ど素人ですので、表現力が足らなすぎですが、だいぶ楽しかったです。もっと描写とか言い回しとか勉強したいなぁ。
もしよかったら読んでみてください。(注:温かい目で見てくださると幸いです。)
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リレー小説 「月と臍」
作・ナオ氏、守夏代
味噌汁をすすりながらぼんやり考えるのが日課であったが、豆腐になるのも悪くないな。半乾きの髪をかきあげながら、ノートに一行書き加えた。
「豆腐の臍はどこにあるの?」
口の中の豆腐をかむと、芋子は哲学的な気持ちになった。しかし、いつまでもその考えにひたることはできなかった。昨夜、友人の豆子が言ったある言葉を思い出したのである。
「百年後に、わたしのことを知っている人ってどれくらいいるのかなぁ。」
星空を泳ぐ光を見つめる豆子は、いつにも増して大人に見えた。縦型の臍や大好きなあの人とどうすれば手をつなげるかで頭がいっぱいの芋子には、なんだかとてもまぶしく見えた。
食事を終えた芋子は爪を切る。切った爪をゴミ箱に捨てながら、自分の爪も髪も臍も百年後には残っていないのだと思った。芋子は窓を開け、庭に置いてあった黒ペンキの缶の蓋を開け、足を突っ込んだ。振り返って足を窓ガラスに当てる。窓には芋子の足跡が残った。この足跡はどれくらいここに残るだろうか。「永遠に人の心に残る何かを生み出せたらそれで私は満足。」豆子はそう言った。芋子は誰かの心の中に残ることができるだろうか。あの人の心の中にはどれくらい残ることができるのだろうか。
突然、芋子はノート片手に家を飛び出した。人の心に残るって?わたしは一体何をどうしたらいいの?一晩中考え続け、書きなぐったノートは真っ黒になっていた。しかし、答えはひとつもみつからなかった。ペンキが乾き始めた灰色の足は、真っ黒の世界に吸い寄せられてしまいそうだった。芋子は逃げるように、ただひたすら走り続けた。
明け方にたどり着いた川原で、芋子は何かを探すかのように地面を掘り始めた。三日三晩掘り続けても何も見つからず、そこには大きな深い穴ができた。
芋子は三年のあいだ、その穴の中で生活した。その間、言葉を書きつけたノートは千と九十五冊。一日一冊のペースであった。また、川原で見つけた白いペンキで一日一つ、穴の中に足跡をつけた。
ある晩、千九十五の豆腐色の足跡に囲まれながら芋子は空を見上げた。高いところに小さな銀の月が見えた。
「あの子は今どうしているのだろうか。」芋子はふと思った。この月は何でも知っているのだろうなと思った。
あの子のことも、あの人のことも、わたしのことも…
その瞬間、芋子は探し続けていた答えがわかった気がした。
芋子はゆっくり立ち上がると、深呼吸をした。そして穴から這い上がり、千九十五冊のノートと千九十五個の足跡で埋め尽くされた穴を埋め始めた。
穴を埋め終わると、残り少なくなったペンキに足を入れ、穴の周りを囲むように踊り始めた。あたりは一面、豆腐色に染まっていった。
ようやく立ち止まった芋子は汗をぬぐった。
遠くに見える穴を眺め、「豆腐の臍はここにあったのか。」とふと思った。
そして大きく深呼吸したあと、スカートの裾を持ち、月に向かって一礼した。
芋子は小さく手を振ったあと、静かに歩き始めた。
そんな芋子の足元を、月明かりが優しく照らしていた。
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結末が別バージョンもブログにのっけているので、もしよかったらそちらも是非。
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